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ピアノの運送・設置・移動について

※文章はスタッフが執筆、イラスト画像はAI生成のイメージ画像です。

ピアノの運送・設置・移動の舞台裏について、プロがサクッと解説します。
このコラムは中学生くらいからのお子様でも読めるように書きました。

ピアノの世界は造り手・弾き手だけでは成り立ちません。私たちが造ったり修理したピアノを、安全・確実に輸送から設置までをしてくれるプロがいて初めて成り立つのです。

運送業2024年問題などもあり、近年運送業界が注目されておりますので当コラムを執筆する事といたしました。
お暇つぶしに、なにかの自由研究などの題材に、よろしければご一読ください。

そもそものピアノ(アコースティックピアノ)の重量について

体重計に乗るピアノのイラスト(AI生成のイメージ画像)

皆さんはピアノの重量はどのくらいだと思いますか?
とても重そうだな…と思うだけで具体的な数値は知らない方が多いと思います。

勿論、機種やサイズによっても異なりますが、一般的なピアノの重量はおおよそ以下のとおりです。

  • アップライトピアノ(主に一般家庭で使用される縦型のピアノ)
    約200kg~約250kg
  • グランドピアノ(主にコンサートホールや学校などで使用される平型のピアノ)
    約250kg~約500kg

ここで一般の方がピアノを購入される際、この重量を聞いてよく浮かぶ疑問は、

「床が抜けない・・・?」
「2階においても大丈夫・・・?」

です。

一般的なアップライトピアノの場合、この重量を4か所のキャスター つまり4点で支えているので、実際は一般的な体重(60kg前後)の成人男性が4人立っているのとおおよそ同じです。どうでしょう、この状態で床は抜けそうですか?

多くの場合はまず、よほど問題はありません。しかしながら、お家が建ってから相当年数がたっている場合や老朽化が進んでいる場合など、一概に大丈夫とは言えませんので、ご心配がある場合は住宅メーカーや工務店などの専門家に確認するのが良いでしょう。

一般家庭へのピアノ(アコースティックピアノ)の搬入・引取

クレーン車で住宅の2階へピアノを搬入する様子のイラスト(AI生成のイメージ画像)

前述の通り、ピアノはとても重く、また繊細な楽器であることからも取り扱いが難しいため、一般家庭への搬入や一般家庭からの引取は、一般の方にはできないといっても過言ではありません。

このようなことから一般的な宅配業者では取り扱えない場合が殆どで、ピアノ専門の運送業者がこの作業を担うのが一般的です。

一口に「移動」と言っても、単に家まで持っていくだけではなく、実際にお客様が使用されるお部屋に入れて据え付けるまでが、ピアノ専門の運送業者=プロ の仕事となります。

環境によっては、

  • 廊下の狭い曲がり角を通す際の縦作業
    ピアノを半回転させて縦にした状態でピアノを移動させる。
  • 階段作業
    エレベーターのないマンションの上階に設置する場合など、ピアノを担いで階段で移動させる。
  • クレーン・ユニック作業
    上階の窓から直接搬入する場合、クレーン車やユニック車でピアノを吊って持ち上げる。
  • 分解・解体作業
    通路などが狭く、そのままの形で搬入出来ない場合はピアノの一部又は全部を一旦解体して小さくしてからお部屋に入れる。

など、さまざまな特殊作業が必要となる場合があります。

そのため、ピアノの運送を行う上ではかなりの部分をプロの経験則や感覚・知識に頼っているのです。

現在では様々な仕事が、AI・フィジカルAI・ヒューマノイドなどに置き換わろうとしていますが、これからの時代においてこういったベテランの経験則や感覚がものをいう仕事においては「ヒト」の価値が一層高くなるでしょう。

また、これらの仕事は多くの場合、

  • 中型自動車運転免許
  • 小型移動式クレーン運転技能講習修了

などの専門の資格等が必要となります。

ピアノの購入をしたり、買取や引取を依頼する際に「運送費が高いな」と思われることもあるかもしれませんが、それにはこういった理由もあるのです。

ピアノの輸出入

港でピアノを海上コンテナに積み込む様子のイラスト(AI生成のイメージ画像)

ピアノの海外への輸出入は多くの場合、基本的には海上コンテナを使用します。

海上コンテナと聞くとぱっとイメージが沸かないかたもいらっしゃるかもしれませんが、港などに行くとガントリークレーン(キリンのような形をした巨大な構造物)の付近に大きい鉄の箱がたくさん置いてあるのを見たことがありませんか?あれが海上コンテナです。

我々のようなメーカーや修理業者などの工場で、完成したピアノをフォークリフトで海上コンテナに積み込み、大型のトレーラー(牽引車のトラック)で港まで移動し、港から船に乗せて目的の国へと輸送されます(輸入の場合はこの逆です)。

海上コンテナは多くの場合、コンテナ単位で運賃が決まっているため、沢山積めれば1台当たりの運賃は安くなります。

なるべくたくさんの台数を積む必要があるため、中古ピアノの輸出などの場合においては、ピアノを大切に梱包しつつも、ピアノを2段重ねにして積み込むなど、より多く積むために様々な工夫がなされます。

海上コンテナは主に2種類の長さのものが使用されており、
20ft(フィート)=約6メートル、40ft(フィート)=約12メートル
もの長さになります。

アップライトピアノの場合で、20ftでおおよそ15台、40ftでおおよそ30台のピアノを積むことが出来ます。

ピアノを運ぶ乗り物

倉庫でフォークリフトがピアノを運ぶ様子のイラスト(AI生成のイメージ画像)
  • 中型トラック・準中型トラック(パワーゲート車・ユニック車)
    主に一般家庭への納品、一般家庭からの引取に使用されます。後端に取り付けられたパワーゲートという重量物を地面からトラックの荷台の高さまで昇降させるための装置が付いている場合が大半です。なんと、このパワーゲートだけでも100万円位の費用が掛かるそうです。前述の通り、上階への納品、上階からの引取でエレベーターが使用できない場合などは、ユニック車などを使用する事となります。
  • 大型トラック
    主に幹線輸送に使用されます。工場から運送会社の拠点倉庫、運送会社の拠点倉庫から拠点倉庫など、中~長距離の拠点間輸送に使用されることが多いです。大型トラックで直接一般家庭に伺う事は殆どありません。
  • 海上コンテナトレーラー
    主に海外への輸出入に使用されます。詳細は前述の通りです。
  • フォークリフト
    海上コンテナにピアノを積み下ろしする際に使用します。
  • コンテナ船
    主に海外の輸出入に使用されます。詳細は前述の通りです。

如何でしたか?本コラムを通してピアノの運送に関する知識を少しでも深めていただけたならとてもうれしく思います。

他にもピアノの世界の裏側で知りたいことなどがあれば、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
リクエストが多い内容があれば、他にもコラムにしてみたいと思います。

2026.09.10

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