COLUMN
調律と修理の違いと
定期調律のススメ
ピアノは構造が複雑な楽器だけに、使用しない等の理由で調律をせずに長年放置してしまったりすると、「調律だけすればよいのか、それともちゃんと修理した方が良いかわからない」「そもそも調律と修理の違いがよく分からない、調律だけでもいいんじゃない?」とお考えになる方が多いのではないのでしょうか?
ここではピアノを人間に例えながら、簡単に調律と修理の違いや定期調律の必要性について解説させていただきます。
調律とは
簡単に言ってしまえばピアノの音程を整える作業です。弦は常に引っ張る力(=張力)がかかっており、この引っ張る力のバランスは時間の経過とともに崩れていきます。
このバランスが崩れると、正しい音程から外れた音になってしまったり、音色が悪くなる原因となり、ピアノが本来の性能を発揮できなくなってしまいます。
また、調律師が定期調律を行う際には、単に調律を行うだけではなくピアノの各部に異常がないか点検してくれます。
異常があった場合でもその場で作業ができる内容なら直しますから、良い状態を保つために年に1度は定期調律を依頼しましょう。
(※内容などによって、追加作業費別途必要な場合がございます)
定期調律を人間に例えると?
人間でいうところの整体と定期検診に似ていると言えます。ヒトの体は日々生活しているとどうしてもバランスがくずれてきますから、肩コリがひどい方や腰痛持ちの方は定期的に整体などに通うことで解消されている方も多いのではないでしょうか?ヒトも体の歪みを整えてバランスが良くなると、調子が良くなったりすると思います。
また、多くの方は健康維持や悪い病気の早期発見のため、学校や職場で定期検診を受けられると思います。
もし10年、20年と定期検診を受けず、全く病院に行かなかったら…?考えるだけでもゾッとしますね!
調律師は、ピアノ定期検診と整体を同時にできる
ピアノのかかりつけ医!
年に一度はかかりつけ医に
診てもらいましょう!
修理とは
では、ピアノの修理はどんな内容で、定期調律とは何が違うのかを簡単に解説させていただきます。
修理は、”外装修理”と”内部修理”に
大別される!
外装修理

文字通りピアノの外装を美しくするための修理です。ピアノで最も重要な要素は、音色とタッチ感であると言えるので、見た目の美しさにこだわらなければ必ずしも必要な修理ではありません。
(※蓋や脚など構造的に支障がある場合は、安全上美しさを求められていらっしゃらなくとも修理する必要があります。)
しかし、音色だけでなく、見た目も美しく愛着が持てることが貴方のピアノライフをより素敵なものにしてくれます。ちょっとした傷を目立たなくするようなお化粧(タッチアップ)などは、腕のいい調律師さんだと定期調律などの際にその場で対応することも可能ですが、本体(全体)や金属面の磨き上げ、全塗装などの大掛かりな作業はやはり専門の工場に持ち込まなければなりません。
「全体的に綺麗にしたい」「色を変えてみたい」と思った時が外装修理を依頼するタイミングです。
内部修理
音色とタッチを適正にし、ピアノの健康寿命を引き伸ばすための修理です。
ピアノは実は大変複雑な構造の楽器で、およそ8千点から1万点もの部品から成り立っております。そして、その多くは鍵盤を押した動力を音に変える部分にあります。
これら一つ一つの部品が適正な状態かつ円滑な動作を行うことではじめて美しい音色や心地よいタッチ感が得られるのですが、これらが古くなってしまうと、サビついてしまったり、消耗して正常な動作をしなくなってしまいます。
調律師さんが一般のお宅で対応できる修理には限界があり、大掛かりな作業は専門の工場に持ち込む必要があります。
製造から10年以上経過している場合は、一度専門の工場での修理・調整を、40年以上経過している場合は、極コースでの修理(大掛かりな修理)を検討しましょう。
修理を人間に例えると?
外装修理は、人間でいうところのメイクサロン。内部修理は、人間でいうところの総合病院による診療と似ていると言えます。
尚、極コースによる本格的な修理は、人間ドック・手術に似ていると言えます。製造から40年以上経過したピアノは、東洋ピアノで極コースの修理がオススメです。
東洋ピアノの工場は
ピアノの総合病院でありメイクサロン!
迷っているなら、一度ピアノの
プロに相談してみましょう!