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森ちゃんの修理ブログ#7 「すったもんだがありました」

※このブログは、修理ブログ#2 アッと驚く為五郎(脚の修理)
森ちゃんの修理ブログ#4 ふつうの女の子に戻りたい
の続編です。


 N市のD様のボールドウィンが卒業となりました。
おめでとう御座います。
N市(前回O市と間違えておりました。)の親元から東京での第二の人生が始まります。
このピアノは本当に色々ありまして、思い出深い1台となりました。



 当初脚折れの修理をして東京に送るというご依頼でお受けしました。
ピアノが着いてみると、キャスターが無い!
(写真ピンボケですいません―動揺しておりました)
幸なことにピアノの裏に取れたキャスターがありました。
ピアノを動かした時キャスターを引っ掛けて脚を折りキャスターも緩んでしまったのでしょう。
脚を直したついでにキャスターの芯棒が入っていた穴に埋木をして穴を細くしてキャスターを圧入しました。(これくらいサービスよ!)。



で、脚を直して念のために他のところもチェックをしていたところ、ハンマーパンク発見。
上側1箇所と思ったら下側で次々と。
さすがにこれはごめんなさい。
有料修理の御願いをさせて頂きました。
前回ハンマー交換の様子をUPしました。


ハンマー交換と調整が終了し、さあこれで出荷をと思いましたが、入庫当初から気になっていた塗装の剥げ。塗装の修理はお受けしてなかったのですが、ピアノメーカーとしては気になって仕方がありません。が、これ以上予算をお客様に求められないし、無償で塗装しなおすのも、全塗装で15万~20万前後かかりますので、どうしよう。







此処は工場長に泣いて貰って何とか見られるようにしてくれと強引に頼み込んで、写真のようになりました。






最後の全体の写真を御覧下さい。



「すったもんだがありました」が、出来るだけの事はさせて頂いたと自負しております。

D様長い時間お待たせいたしました。
D様のボールドウィンとっても印象に残るお仕事でした。
有難う御座いました。
末永く大切にお使いいただきますよう御願い申し上げます。

2015.09.26